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「豊かすぎる暮らし」

2016年7月27日

現在、放映中のNHKの朝ドラは「とと姉ちゃん」です。

大変視聴率も良く、評判になっているようです。

斯く言う私も女房にビデオを撮ってもらって観ています。

とと姉ちゃんの主人公、高畑充希演じるヒロイン・小幡常子のモデルは、1948年(昭和23年)に創刊され、半世紀以上も出版され続けている雑誌「暮らしの手帳」と同名の「暮らしの手帳」社の創業者・編集者社長・大橋鎮子で、戦前から戦後にかけての激動の時代を描いています。

現在の放映は、太平洋戦争の敗戦による痛手から立ち直ることが想像も出来なかったであろうと思えるバラックの立ち並ぶ市井の暮らしや、主人公・常子や天才編集者・花山伊左次によって創刊された「あなたの暮らし」の初版が大好評を得ながらも、次号の題材に苦心しているという場面です。

場面中、興味深かったのは、終戦直後の物資不足の中、住宅の新築は12坪までと決まっていたという社会情勢と、焼け野原の中に余裕のできた人たちが、12坪ながら住まいを造っていく様子はその時代を生きた人にしか想像できないでしょう。

先日の放送の中に、家作にも入れないでいた常子の女学校時代の恩師の家を訪ねた時の様子が映され胸を打たれました。

その家は、戦火を免れた知人の物置で6畳一間に夫婦で暮らしていますが、入り口は2尺ばかりの三和土(土の土間)、床は荒床の現し、壁は杉の切り落とし(製品にならなかった廃材)が張ってあり、一番感心したのは建付けの悪い窓に小さく折った紙を挟んでガタガタするのをしのいでいる様子でした。

こんな時代が日本にもあったなーと、この時代より少し後、終戦から12~13年位になりますが、自分の物心ついた時分を思い出しましたが、日本はまだ貧しい時代だったと思います。

現在の豊かな暮らしにどっぷりと浸り、五体満足で働ければ最低限、食べることに困らず、
スマホでポケモンを探す多くの人たちが問題になりつつある現代人には到底受け入れることが出来ないのではないのかと、つくづく考えさせられました。

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